ケンタロウ

ケンタロウ史上、最も斬新なレシピは「翌日の家カレー」だ。

ケンタロウ本には、ごくまれにこれは思いつかなかったというレシピがあります。

たとえば、「ケンタロウの日替り定食」に載ってる「冷やしトマト」です。
作り方は、丸のままのトマトに塩をかけるだけです。
作り方と言っていいのかわからないくらいです。
切ってさえいないので料理かどうかも微妙です。
もはや素材です。

別の本では「フルーツ」というレシピがあって、好きなフルーツを切るだけというのもあります。
読者はあまりの簡単さに驚きつつも、「あ、それでもいいんだ」とストンと腑に落ちます。

私が思う最も斬新なレシピは「小林カレー」の「翌日の家カレー」です。
レシピ本なので、一応は材料と作り方が書いてあるのですが、
「ルウの箱に書いてる通りに作ってね」
とあります。
まるで他人事のような書き方です。

もう一度レシピ名を見てください。
このレシピ名で全部言ってます。
作り方は必要なく、
「作ったその日は食べずに、冷蔵庫に入れて次の日食べる」
だけでもいいくらいです。

まさかのケンタロウレシピですが、1周回った感があって、これはこれで潔いです。
敗者復活戦から勝ち上がってきた逞しささえ感じるレシピです。
ほとんどのレシピ本は作ってすぐに食べる前提で書かれてますが、出来上がってもその場では食べないレシピは、ケンタロウ本にもまずないので、ある意味レアです。

カレーをよく作る人なら誰しもやったことがあって、それをわざわざレシピにする必要はないのですが、これも「料理なんて気楽にやろうぜ」というケンタロウさんのメッセージなのです。

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