ケンタロウ

ある日突然「ケンタロウ」になったのではない。

富士通セミコンダクターマガジン「FIND」のインタビュー記事を読むと、ケンタロウさんのこれまでの道のりがいかにジグザグで遠回りだったかがよくわかります。

でも、その回り道があったからこそ、今のケンタロウさんがあるのです。

もし、やりたいことがやりたいようにできて思い通りの人生だったら、おそらく料理家にはなっていなかったです。
もしかしたら洋服のデザイナーだったかもしれませんし、下着のデザイナー、または家具デザイナーの小林健太郎として活動していたかもしれません。
料理自体は好きだったかもしれませんが、それを仕事にすることはなかったのです。

つまり、私たちの知るあの「ケンタロウ」さんは存在しなかったことになるのです。
そう思うとゾッとします。
私が Instagram に彼のことや本をアップすることもないですし、ハッシュタグ検索したあなたがこれを読むこともなかったのです。

もちろんケンタロウさんはジグザクな遠回りをしたくてしたのではないでしょうし、苦く辛い時間も短くはなかったでしょう。
でも、少なくとも私たちはあのケンタロウさんの本と巡り会えたので、それも彼が紆余曲折な人生を歩んでくれたからこそです。
もう感謝しかないです。

そういう意味では、私たちの歩いてきたどの道も間違ってなかったんです。
あの日あの時本屋さんに行ってなかったら、もし隣のレシピ本を手に取ってたら…
挙げ出したらキリがないですが、バラバラのように見える線路も、振り返ってみれば実は1本につながっていたんです。

そうしみじみ感じながら、今日もケンタロウ本をめくるのです。

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